冬の麦山橋 写真提供:オクタマニア

冬の奥多摩って、何もないしやることもないし、寒いだけ。って思っていませんか?

正解!その通りです。

奥多摩には冬に限らず年中何もないし、やることもないです。寒いだけです。だけれど、それが冬の奥多摩に来ない理由には全然ならない。だって、奥多摩って場所はそもそも、「何もしない」をしに来るところですからね。

むしろ、寒い寒~い冬だからこそ、奥多摩に来るべきなのです。

これから、冬に奥多摩を訪れるべき理由をお話ししましょう。

冬の奥多摩を訪れるべき3つの理由

奥多摩は寒いです。東京で一番寒い。だから、奥多摩へ来てください。寒いけど我慢する価値があるのではありません。寒いからこそ、価値があるのです!

理由その1:写真がキレイに撮れる

奥多摩には美しい風景がたくさんあります。山、渓谷などの雄大な大自然。大規模ダムと巨大人工湖。旧小河内貨物線跡や廃旅館などの遺構群。また、多摩川上流部に架けられた橋梁の数々は博物館と言ってもいい程に多種多様です。

それらの被写体を最も美しく撮影できるのはいつか?その答えこそが冬なのです。

気温が低ければ空気中の水蒸気が減り、いわゆる空気が澄んだ状態になります。夏場に遠くの山が白っぽくかすんで見えるのは水蒸気が多いからです。冬はこの白っぽさが少ないので、遠くの山々までくっきり見えます。空も明らかに鮮やかに青い。夜になれば星もキレイに見えます。

もちろん写真だけでなく、肉眼で見ても夏より冬の方が風景はクリアです。奥多摩の美しさをも~っと味わうために、冬にこそ訪れるべきなのです。

理由その2:温泉がたくさんある

奥多摩には温泉があります。有名なのは奥多摩駅近くのもえぎの湯ですが、それだけではないんです。案外あちこちにたくさんある。源泉も町内だけで4種類、お隣の丹波山、小菅を合わせれば6種類にもなります。そして日帰り入浴できるところが多いのです。

さて、温泉に入るのは、もちろん年中気持ちがいいものですが、何といっても冬に入ることこそ、まったく最高にたまらない楽しみ方ではないでしょうか。寒い日に冷え切った体を少しずつお湯に浸けて温めていく。次第に痺れるように熱が伝わり、強張っていた全身の筋肉が弛緩する。思わずもれる感嘆。

どうですか?

この感動を味わうには、寒ければ寒いほどいいんです。じゃあ、東京でいえば一番寒いのは奥多摩だから、温泉は奥多摩で入るのがいい。都心からのアクセスも悪くないですからね。

理由その3:あったかグルメとか

冬ならではの楽しみは他にもあります。体が温まる料理や薪ストーブなどは、温泉と同様に寒ければ寒いほどいい。寒い屋外で景色を見たり写真を撮るのに夢中になったりしていれば体は冷え切ってしまいます。そんな時、やっとたどり着いた暖かい店内で、ゆっくりと暖かい飲み物を飲む。ホッとして、生きている喜びを感じます。

これって、ずっと暖かいところにいたらダメなんです。一度寒さを味わってからだと、暖かさに感動できます。絶望的な寒さを体験して、都会の便利な暮らしで上がり切ってる幸福のハードルを一度リセットしてやるわけです。

冬に食べたい暖かい食べ物もあります。まぁ、それはどこにでもあるんですが、前述の通り、寒ければ寒いほどもっと楽しめるわけで、わざわざ真冬に奥多摩にくる意味はあります。きっとある!

奥多摩と近くの温泉

それではここで、奥多摩周辺の温泉施設を源泉別に紹介します。

その1:奥多摩温泉

奥多摩温泉は三畳紀の地層と考えられている古生層から湧きだす温泉です。

もえぎの湯へと続くもえぎ橋

奥多摩駅から徒歩5分、「奥多摩温泉 もえぎの湯」では奥多摩温泉に入ることができます。内湯と露天のシンプルなお風呂ですが、加水してない源泉100%の温泉です。休日は激混みなので、できれば平日がおススメ。

その2:麻葉の湯

後ろには愛宕山がそびえる

創業200年の老舗「三河屋旅館」の温泉が、氷川郷麻葉の湯です。お風呂は内湯のみですが、壁一面の大きな窓から多摩川の渓谷を眺めることができます。泉質は硫黄泉です。古い蔵を使った土蔵食堂で山の幸をいただくこともできます。奥多摩駅から徒歩5分。

その3:松乃温泉

松乃温泉はJR青梅線川井駅の近くにある温泉宿「水香園」の温泉です。多摩川の清流を眺めながら楽しめるアルカリ鉱泉です。日帰り入浴はやっておらず、宿泊者のみ入浴可能というレア温泉です。

その4:鶴の湯

湖底に消えた幻の温泉

奥多摩湖は、小河内ダムによって多摩川を堰き止めて作られた人工湖です。その際湖底に沈んだ旧小河内村は、600年以上の歴史がある関東有数の湯治場でした。鶴の湯、鹿の湯、ムシの湯という水没した三つの源泉は、ダム竣工から40年余りを経た現在、ポンプでくみ上げるかたちで復活しています。町内の複数の温泉施設に配湯され、鶴の湯温泉として楽しむことができるのです。ほんのり硫黄の香りがするお湯です。

はとのす荘は奥多摩では珍しいシュッとしたホテル

鶴の湯温泉には、奥多摩駅徒歩5分の日原川沿いに建つ老舗旅館「民話の宿 旅館 荒澤屋」、奥多摩湖に突き出た岬にある鹿肉も食べれる郷土料理と温泉の店「丹下堂」、小河内神社のほど近く、峰谷橋と麦山浮橋を見下ろす「馬頭館」などで入ることができます。鳩ノ巣駅近くの「奥多摩の風 はとのす荘」には二種類の温泉があり、そのうちのひとつが鶴の湯温泉です。

鶴の湯には、上であげた以外にもいくつかの場所で入浴できます。温泉を販売している店もあり、タンクを持参すればお家へ持ち帰ることも可能です。

こちらの、「小河内温泉(鶴の湯温泉)マップ」(byオクタマニア)には入浴・販売している場所が網羅されていますので参考にしてください。

その5:小菅の湯

多摩源流温泉 小菅の湯」は、山梨県の小菅村にあります。複数の源泉を合わせたお湯ですが、大きな特徴があります。水素イオン濃度(ペーハー)9.98という、世界的にも珍しい高アルカリ性の温泉なのです。その意味は、正直よくわからないんですが、お肌がツルツルになる「美人の湯」と言われているそうです。

桧の内風呂、岩の露天風呂の他、寝湯や壺湯なども楽しめる日帰り温泉施設です。道の駅こすげに併設されているので、おみやげ探しもバッチリできます!

その6:のめこい湯

最後はこちら、山梨県丹波山村の「丹波山温泉 のめこい湯」です。青梅街道沿いの道の駅たばやまに併設されていて、目の前は丹波川です。丹波川というのは多摩川の上流部の名前。露天風呂では川のせせらぎに耳を傾けながらくつろぐことが出来ます。お湯はぬめりがあり、とにかくのめっこいのが特徴で、お風呂上りにはお肌もすっかりのめっこくなります。

道の駅たばやまでは、鹿肉ソーセージやら丹波山ビールやら、丹波山ならではのお土産がたくさん手に入ります。

冬に食べるべき奥多摩グルメ

続いては、冬の奥多摩で食べるべき、心温まるグルメの数々をご紹介しましょう。

その1:ほうとう

おおーっと、奥多摩グルメと言いながらイキナリ山梨名物を繰り出してしまいました。

熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜ

はじめにご紹介するのは山梨名物のほうとうです。ほうとうは、うどんよりもっと太い小麦粉の麺を野菜と一緒に味噌で煮込んだ料理です。多くのお店では、鋳物の鍋に入ってグッツグツのアッツアツで供されます。食べ終える頃には体が芯から温まっています。

ほうとうを食べられるお店を2軒紹介します。

1軒目は「小菅トラウトガーデン」です。山梨県小菅村にある釣場です。小菅村は奥多摩湖を越えてすぐの場所で、奥多摩から峠も川も越えずに行くことができます。釣場は2時間からご利用になれますので、ちょっとばかり釣りを楽しんで、体が冷えたところでほうとう食べるとか、いいと思います。

2軒目は「のめこい湯お食事処」。道の駅こすげにある日帰り温泉施設のめこい湯の中にあります。ほうとう以外のメニューも色々ありますし、なんといっても温泉ですから、あったかグルメとの合わせ技です。ぬくいことこの上ないです。温泉入った後のほうとうなんて暑苦しくて食べる気がしないかも知れません。ほうとう食べた後の温泉も嫌かも。丹波山村も山梨県ですが、小菅村同様に奥多摩湖を越えた先にあります。

その2:釜めし

続きましては、山間の観光地でよく見かける、おなじみの釜めしです。釜めしは釜の中にお米と具を入れて炊いたもの。それのどこがあったかグルメなのか、と思うかも知れませんが、分厚い土鍋の釜は蓄熱性能が高く、いつまで経ってもご飯が冷めません。だから存外、体が温まります。ほうとうの鉄鍋と同じ理屈ですね。

加えて、釜めしとセットで出てくる水炊きの存在もあります。釜めし同様の釜で供される水炊きも、いつまで経っても冷めません。猫舌の人は永遠に食べれないやつです。

囲炉裏や庭も見どころのひとつ

釜めしのお店として紹介するのは、奥多摩の入口である川井駅の北、大丹波川沿いにある「釜めし なかい」です。釜めしの他に川魚や山菜なども扱っています。山里の静かな古民家でしっぽり過ごすことができるお店です。

その3:おしるこ

次に紹介するのは、冬のスイーツおしるこです。希少なあったかいスイーツです。

おしるこは、たんぱく質、糖質、とろみ成分を含んでいるため、体が一番温まるドリンクである。と何かのテレビ番組で言ってたそうです。っていうネット情報を見ました。

猫さんたちにも会えます

そんなおしるこを楽しめるのは、奥多摩湖の上流、青梅街道で都県境を越えてすぐの場所にある「山の休憩所かゑる」です。かゑるは、ハンドドリップコーヒーとおしるこのお店。軽食もあって、民泊もやっているお店です。

と、言いますか、また山梨のお店の情報でした。

食べものじゃないやつ

最後は、食べものじゃない、温泉でもないあったかいやつの話です。

では、どうやって温まるのか?その方法は、火に当たることです。

エアコンでもストーブでもなく火に当たって暖をとる。昔の人はみんなそうやって寒さを凌いできました。だから、とてもノスタルジックな気持ちになれます。ノスタルジックになるとどうなるか?心が温まるんです。

では、火に当たれる場所を紹介していきます。

まずは、「よりみち茶屋とおまわり」です。とおまわりは奥多摩湖の上流、留浦(とずら)という場所にあります。今度はギリギリ東京都、奥多摩にあるお店です。ああよかった。

とおまわりには、薪ストーブがあります。客席である土間の真ん中にストーブが置かれています。パチパチと薪の燃える音を聞きながらハンドドリップコーヒーなどを楽しんでみてはいかがでしょうか。なおかつ看板猫のうずらちゃんとふれあえば、身も心もホカホカです。

2軒目は、御岳山の麓にある「炭鳥IKADA」です。ガツンと固いむかし鳥を炭炉で炙って、ばくだんおにぎりと一緒に食べるお店です。客席のド真ん中に置かれた炭炉で鳥を炙りますので、燃える炭の目の前でジッと座っていることになります。実にぬくい。

うちわであおいだ炭の温度は1000℃

メニューは、むかし鳥、ばくだん、味たまご、昆布汁です。全部セットがおススメです。寒~い冬に、野性味あふれる鳥にかぶりつきながら、たっぷり炭火に当たってみましょう。まあ、御岳は奥多摩じゃないんですけどね。

奥多摩は冬が一番キレイ

冬の峰谷橋 写真提供:オクタマニア

以上、冬に奥多摩をおとずれるべき理由と、冬の奥多摩であったまる方法についてお話しました。なんか半分くらい山梨だった気もしますが、山梨と言っても小菅・丹波山は奥多摩から近い、地続きのエリアなので、あまりこだわるのはやめといてください。

ともあれ、冬だからこそ、寒いからこそ、奥多摩に行くべきだということが少しは伝わったでしょうか。ともかく、冬の奥多摩の風景と、凛と張り詰めた空気感を味わって欲しいと思います。奥多摩は冬が一番キレイだと確信してます。落葉した木々は樹形が露わになり、遠くの山々は冠雪します。そして、冷たく引き締まった大気は肌に心地いいんです。

奥多摩では、寒さはデメリットではありません。思い切って出掛けちゃってみてください!

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