奥多摩は橋の博物館

奥多摩は橋の博物館です。多摩川を中心として、様々な形式の橋が数多く架けられているからです。特に上流部(氷川以西)では、小河内ダム建設に関係して潤沢な予算が注ぎ込まれたとも聞きます。

そんな奥多摩の橋たちの中から、「下から見上げる」というテーマでオススメのものをセレクトしました。河原への下り方と合わせてご紹介いたしますので、是非足を運んでみてください。

尚、それぞれの位置についてはこちらにまとめていますので参考にしてください。

「奥多摩橋の博物館(Google map)」

完全に筆者の主観で選んでますので、話半分で読んでいただければ幸いです。

目次

〇多摩川の橋

・奥多摩大橋

・寸庭橋

・雲仙橋

・海沢大橋

・昭和橋

・琴浦橋

〇奥多摩湖の橋

・坪沢橋

〇日原川の橋

・氷川大橋

・北氷川橋

〇番外編

・奥多摩橋

〇上路式は下から見たい

〇用語解説

多摩川の橋

最初は、多摩川に掛かる橋です。

多摩川が奥多摩に入るのはJRの御岳駅と川井駅の中間から。最も下流の橋梁は、現在は使われていない梅沢橋です。

奥多摩駅より下流では、橋は青梅街道から外れて対岸地域へ渡る箇所に架橋され、上流では蛇行する多摩川を直進する青梅街道が越える形になっています。従って上流の橋梁は国道であり、管理者も国です。

多摩川の始まりは小河内ダムから、ということになっていますので、奥多摩湖は多摩川に含まれません。

奥多摩大橋

おくたまおおはし

複合斜張橋(桁は鋼鉄製、主塔はコンクリート製)

1997年(平成9年)

橋長:265m

支間長:159.3m

幅員:12.8m

川井駅の目の前にある、奥多摩の玄関とも言える大きな橋。谷間に白い主塔とワイヤーが映えます。主塔も直線的なデザインで、シャープかつ先鋭的なシルエットです。

河原に降りて間近から見上げれば、巨大感を味わうことができるでしょう。橋桁の真下に入ると、分厚い橋桁が頭上に迫り、まるで襲来した宇宙船に空が覆われたかのようです。

下から見ても上から見ても離れてみても、どこからみてもイケメンです。

アクセス

川井駅を降りると目の前です。駅のホームからも見えるので迷うことはないでしょう。吉野街道側から、橋の東にある階段を使って降りることができます。

なお、降りた先は川井キャンプ場になりますので、立ち入る際は一言断りを入れましょう。

寸庭橋

すにわはし

上路式アーチ橋

1971年(昭和46年)

橋長:66.0m

幅員:4.5m

古里駅の近く、青梅街道を離れた集落の中にある小さめの橋です。青梅街道からも眼下にギリギリ見えますが、河原に降りると上からの印象とはまるで違う、渓谷に映える真っ赤な姿を目にすることになります。

非常にシンプルなアーチですが、高所ではない故に、間近から観察できるのが良い所です。アーチ端部を支え、橋軸方向へは動くことができるピン支承を目の前で見ることができますのでオススメです。

また、この橋の下には石積みの旧橋橋脚跡が、すぐ隣にはまた別の橋脚と主塔跡が遺されています。そこへ至る、古い路の痕跡もあって楽しめます。

アクセス

古里駅から青梅街道を西進。消防団車庫の先を左に分かれ道なりに500m程進むと到着です。

南岸両脇から河原へ下ることができます。人の往来はないようで、藪漕ぎになりますので、それなりの靴が必要です。北岸にある奥多摩グランピングのテント脇からも旧橋遺構(吊橋主塔)へ接近可能です。

雲仙橋

うんせんばし

上路式鋼単純ワーレントラス橋

1961年(昭和36年)

橋長:63.0m

幅員:2.5m

鳩ノ巣駅から、南岸地域へ向かうための小さな橋です。1986年に鳩ノ巣大橋ができるまで、鳩ノ巣南岸へのアクセスは雲仙橋のみに頼っていました。重要な生活路だったわけです。

旧橋は吊橋だったようで、現在も両岸に主塔のみ遺されています。

この橋を見上げられるポイントは少し離れていて、鳩ノ巣渓谷遊歩道の外れからとなります。渓谷に突き出す岩の上に立ち、頭上を横切る無骨なワーレントラスを眺めるのです。

この岩の上には、この場所が賑わっていた頃には使われていたであろう古い街灯が一本、ポツリと佇んでいます。実にシュールです。

そのあたり全体の雰囲気込みで、雲仙橋を見上げるのは独特の味わいです。

アクセス

鳩ノ巣駅を右に出て、すぐのつき当たりを左折します。坂を下り青梅街道を横断したら、トンネル直前の脇道に入り、木古里というカフェの奥にある階段から渓谷へ下ってください。

遊歩道を進んで行くと、情緒ある廃旅館群の間をぬけて、小さな小さな赤い橋を渡ります。橋の先を左に向かうと街灯が立っていて、そのあたりから左上方に雲仙橋が見えます。

ちなみに橋を渡りたい場合は、青梅街道沿いにある鳩ノ巣釜めし向かいの小道に入って坂を下るとすぐです。

海沢大橋

うなざわおおはし

上路式鋼曲線2径間連続箱桁橋

2003年4(平成15年)

橋長:87.0m

支間長:55.5m

幅員:12.0m

平成生まれの若い橋です。奥多摩駅と白丸駅の間にあり、青梅街道と対岸の地域を結ぶ交通路です。

隣にある旧橋である海沢橋は遊歩道の一部として現役で使用されていますが、当初、青梅街道はここで南岸へ渡るルートでした。

その後、氷川トンネルの開通によって国道が北岸へ移ると海沢橋の交通量は減少。しかし1998年愛宕トンネル(多摩川南岸道路)が通されると、再び需要が増します。

そんな中架橋された海沢大橋は、S字カーブを描きつつ、同時に勾配が変化しているという三次元の複雑形状をしています。

桁には重厚感があり、I型の橋脚デザインとも相まって、なかなかの迫力です。

全体像は河原から、桁の迫力を味わうには遊歩道の途中で橋下をくぐる箇所からがおススメです。

また、隣には前述の海沢橋があり、こちらも河原から見上げることができます。スレンダーなコンクリートアーチは非常に華奢でセクシーです。この橋の直下にも石積みの旧橋橋脚が遺っています。

アクセス

奥多摩駅、白丸駅どちらからも絶妙に離れていて、行きにくい橋です。奥多摩駅からは青梅街道を1.5kmほど東進、白丸駅からは青梅街道を西へ1kmほどです。

青梅街道から海沢橋を渡り、そのまま遊歩道へ入ると河原へ降りることができます。道と言えるか微妙な踏み跡をたどるので、多少ガッツが必要です。

昭和橋

 

しょうわばし

上路式鋼ローゼアーチ(後にブレース補強)

1959年(昭和34年)

橋長:94.5m

支間長:74.5m

幅員:9.0m

奥多摩駅からほど近い氷川渓谷に架かる、国内最初の上路式ローゼです。

架橋後に交通量が増加し、コンクリート桁から鋼桁に入替えて補剛、吊材の間には斜材が追加されました。

河原から見上げるとなかなかの高所に架けられており、細い鋼材で構成されたアーチは色っぽく、雨の日などには特に美しさが際立ちます。

アクセス

奥多摩駅を出て左へ向かうとすぐです。信号を右折し、左手に見える神社の横から坂道を下っていくと河原(氷川渓谷)へ降りることができます。

河原にに出たら左方向へ向かえば、赤いアーチが見えてきます。

琴浦橋

ことうらばし

上路式鋼ランガー橋1973年(昭和48年)

橋長:99.7m

支間長:75.0m

幅員:10.3m

奥多摩駅よりも上流に架かる、青梅街道の橋です。上路式のランガー橋で、谷の風景と調和する青い塗装が鮮やかです。

上弦材下弦材をつなぐ吊材が放射状に配されている点に注目してください。このような特徴は一般的ではありません。橋の真下まで接近するのは困難で、近くで見れないのが残念です。

アクセス

奥多摩駅から青梅街道に出て、2kmほど西へ向かいます。奥多摩病院を過ぎてもう少し進むと琴浦橋です。表示が出ているので分かると思います。

橋を渡って100m程進むと左手に理容店が見え、家屋と家屋の合間に下り階段があります。これが水場へ下る路で、河原まで降りると琴浦橋が見えます。

奥多摩湖の橋

続きましては、奥多摩湖に架かる橋をご紹介しましょう。

奥多摩湖は当初観光地として開発される予定だったため、そこに架かる橋は景観に配慮したデザインがなされています。

中でも国内最長の中路式アーチである峰谷橋、国内最長のランガー橋の深山橋、国内最初のニールセンローゼ橋、三頭橋がカッコよくてオススメなのですが、これらはいずれも下路式で、道路よりも上にカッコいい部分が現れています。

今回の河原から見上げるというテーマからは外れているので除外しました。あと、湖なので河原ではないんですが、そこはまぁ、気にせず許してください。

と言うことで、奥多摩湖の橋からはたったひとつ、坪沢橋をセレクトしました。

坪澤橋

つぼさわばし

マイヤール式上路RC3ヒンジアーチ橋

1957年(昭和32年)

橋長:59.2m

幅員:7.0m

国内唯一のマイヤール式3ヒンジアーチです。マイヤール式はスイスの橋梁技師ロベール・マイヤールが発案したもので、扁平で鋭角的な形状が特徴です(坪沢橋はマイヤールの設計ではありません)。

坪沢橋は奥多摩湖の小さな入り江を跨ぐ橋で、道の前後、対岸にも何もなく、通常横から見ることはありません。

しかしこれほどスマートでキレ味の鋭いコンクリートアーチは稀でしょうから、是非、横から見て欲しいものです。

アクセス

奥多摩駅から西へおよそ15km。小河内ダムも越え、奥多摩湖上流端、山梨との都県境近くにある橋です。

青梅街道から外れてはいませんが、橋上からは極めて地味であるため、気を付けていないと見落としてしまうかも知れません。

橋の東詰、湖側にガードレールの切れ目があり、そこから湖畔まで下ることができます。突端まで踏み跡を辿って行きましょう。

日原川の橋

さて最後は、日原川に架かる橋たちです。

日原川は多摩川の大きな支流のひとつで、東京都最高峰である雲取山に端を発します。深い渓谷を流れる川の水は冷たく透明。地形の険しさ故に河原から見上げられる橋は多くはありませんが、以下の二橋をご紹介します。

氷川大橋

ひかわおおはし

橋長:83.9m

支間長:51.16m

幅員:13.2m

上流側

上路式鉄骨コンクリートアーチ

1933年(昭和8年)

下流側

上路式RCアーチ

1986年(昭和61年)

奥多摩駅から徒歩3分、日原川基点(多摩川への合流点)からすぐの場所にある橋で、青梅街道です。1933年に下流側の鉄骨コンクリートアーチが架橋され、1986年に上流側RCアーチによって拡幅されました。

架橋当時はアーチの上に小アーチが連続する流麗なデザインでしたが、現在小アーチはなくなり、直線的な外観となっています。

下流側は鉄筋コンクリートではなく鉄骨コンクリートである点がミソで、両岸から鉄骨をワイヤーで引っ張りながら架け、後からコンクリートを巻くというメラン工法で架橋されました。

メラン工法が採用されたのはこの橋が国内初です。

アーチ形状も、下流側は中間に隙間のある梯子状であるのに対し、上流側は面になっていて、鉄骨とRCの違いが出ています。

コンクリートの外観に惑わされず、内部構造を心の目で見ることによって楽しめるタイプの橋です。もちろん、光学観測できる部分も美しい形状です。

アクセス

先に紹介した昭和橋と同じ氷川渓谷から見ることができます。

奥多摩駅から南へ向かい、駅入口信号を右折。交番の向かいの神社脇から降りて行きます。河原に出たら向かって右が氷川大橋です。

本当は、氷川渓谷遊歩道でこの橋の下をくぐることができるのですが、昨年の台風(2019年台風19号)以来、現在(2020/7)も通行止めとなっています。

北氷川橋

きたひかわはし

上路式鋼方丈ラーメン橋

1964年(昭和39年)

スペック不明

奥多摩町役場の裏手にある橋です。谷間でよくある方丈ラーメンですが、この橋は、橋脚がトラス補剛されている上に、橋脚よりも外側にも斜材が入っている珍しい構造です。この構造は国内唯一だそうです。

正直、パッと見るだけだと外観にこだわっていない地味な橋のように見えます。しかし他の方丈橋をいくつか見た後で、力の伝わり方など想像しつつ見ると、大変楽しめると思うのでオススメです。

アクセス

奥多摩駅から出て右側に町役場があります。この脇の階段から日原川へ下り、上流(向かって右)方向へ歩くとすぐに出会えます。

番外 どうしても加えたい橋

河原から見上げる奥多摩の9橋を紹介し終わりましたが、もうひとつだけ、どうしても紹介したい橋があります。

この橋は奥多摩ではなく、青梅市にある橋なのですが、なぜか名前は奥多摩橋です。

奥多摩橋は昭和14年架橋、奥多摩町が出来たのは昭和30年なので、命名は奥多摩橋の方が先です。そもそも奥多摩という言葉が多摩の奥を指して使われていたのでしょう。

ちなみにもっと下流の東青梅駅近くには下奥多摩橋(上路式アーチ)というのもあって、こちらは昭和48年架橋です。

余談となりますが、手持ちの資料から下奥多摩橋の項にある記述を引用しておきます。

以下引用~
此処より以西を云う「奥多摩」の言葉は、古くから一部の登山家で交わされていたようだが、広く知られたのは、明治42年に青梅鉄道(株)が、「奥多摩名勝案内」を出したことに始まる。普及したのは、昭和初期に東京日日新聞が、日本百景を選定した時「奥多摩渓谷」が入選したことによる。推薦普及の母体は、大正13年設立の「奥多摩川保勝会」(現在の大多摩観光連盟)である。
~引用ここまで
多摩川遊歩橋景色 竹村幸司著 けやき出版 より
というわけで、広義には下奥多摩橋(青梅市長渕)以西が奥多摩と呼ばれていたみたいです。他にも、山塊としてみた場合とか、色々な解釈があるので、今あまり深く掘るのはやめましょう。
E2ringサイトでは、基本的に自治体としての奥多摩町を奥多摩と呼称しております。

奥多摩橋

おくたまばし

上路式鋼ブレストリブアーチ+魚腹トラス

1939年(昭和14年)

橋長:176.4m

支間長:108m

幅員:4.5m

奥多摩橋は青梅市内で多摩川を跨ぐ橋で、戦前に架けられた道路橋の中では国内最長です。

河原まで下るのは若干疲れるんですが、細い鋼材で組まれた可憐で美しいアーチです。わざわざ見に行く価値があります。個人的な感想ですけど、東京で一番美しい橋だと思います。

更にこの橋にはもう一つ見どころがありまして、アーチ橋に加えてトラス橋となっている部分があり、そのトラスが魚腹トラスという珍しい形をしているのです。

この形状を言葉で表すと、上下逆さの曲弦トラスといった感じで、橋桁の裏側にこんなものが張り付いているのは非常に珍しく面白いです。

アクセス

二俣尾駅を出て左へ向かい、JAの手前を右にまがれば着きます。

橋を渡り、親柱のすぐ先にある左側の階段を降りると橋の下の道路へ出て、そこで魚腹トラスが見れます。

魚腹トラスの真下辺りから河原へ下る路(踏み跡)がありますので、足元に気を付けながら進みましょう。河原まで出られれば、右手に最高に神々しいアーチが見えています。

上路式の橋は下から見たい

以上が、河原から見上げる奥多摩の橋9橋+1でした。

奥多摩の橋には、国内初とか国内最長とかがちらほら出てきます。もちろん、この形式の中ではとか、架橋当時はそうだったとか、条件付きの話ですが。

今回ご紹介した橋は、ほとんどが上路式でした。上路式の外観的特徴は、橋上からでは構造が見えない点です。

奥多摩に限らずですが、いつも通っている橋が下から見たら実はスゴイカッコイイ橋かも知れません。何気なく通るだけではもったいない。一回河原に降りて確認することをオススメします。

今回はのセレクトには、非常に個人的な好みが反映されています。人によっては、それじゃない!とはがゆく思う部分もあったのではないでしょうか。

みなさんも、自分なりの「河原から見上げる橋」を見つけてみてください!

解説

ここからは、橋の形式などについて、主に本文に登場した用語を簡単に解説したいと思います。

筆者はちゃんとした知識はもっていないなんちゃってにわか野郎ですので、正確ではない部分があるかも知れません。曖昧な記述は追求せず、暖かい心で自らググっていただけますよう、お願い申し上げます。

また、あからさまな間違いがありましたら、優しくご指摘いただけましたら幸いです。

橋の形式

上路式

車や人が通行する路面の部分が、橋の上に来ている形式。深い谷間など、橋の下部空間に余裕がある場所で使われる場合が多い。

橋の上からは構造が見えにくく、地味な橋だと誤認しやすい。

下路式

路面が橋の下部にある形式。橋上に構造がむき出しになるので、視界を遮るものが多い。橋を観たい場合はむしろ見やすくていい。

橋上をゆっくり歩きながら見ることができる。

中路式

上路式と下路式の間で、路面が構造の中間にある。

奥多摩で言うと、峰谷橋と麦山橋が中路式。

アーチ橋

円弧を描く部材が主構造となる橋全般をアーチ橋と呼ぶ。広義では見た目の問題であり、見た目がアーチになってる橋ならばなんでもアーチ橋と言える。

狭義にはアーチにより荷重を支えているものを指し、その場合アーチ型ラーメンなどは除外される。

桁橋の場合、桁への荷重を桁そのものの剛性で支える必要がある。そのため桁上部には圧縮力、下部には引張力がかかる。アーチ橋は荷重をアーチで受けるため、全て圧縮力として地盤に伝えることができる。引張に弱いコンクリートにも適している。但しアーチ端部には垂直の力に加えて水平力も働くため、架橋は強靭な地盤である必要がある。

ローゼ橋

アーチ橋の一種だが、上弦材と下弦材が剛結合されているものを特にローゼ橋と呼ぶ。

通常のアーチ橋では、上弦材(アーチリブ、円弧を描いている部分)が軸力を、下弦材(桁)が曲げモーメントを負担しているが、ローゼの場合両者の剛結合により、相互に力が伝達されることになる。

ランガー橋

見た目的にはアーチ橋だが、構造上は桁橋に分類される。桁橋をアーチで補剛している形式。

いわゆるアーチ橋と比べると橋桁に厚みがあり、上弦材(アーチリブ)が細い。また、アーチリブが曲線でなく、直線で構成されていることが多い。

トラス橋

三角形を組み合わせて強度を出している形式の橋。鉄道橋梁に多く見られる(ような気がする)。

斜材の入り方によってハウトラス、プラットトラス、ワーレントラス等がある。

中央から斜材がハの字に配されているのがハウトラスで、斜材には圧縮力が働く。逆向きがプラットトラスで、この場合は引張力を引き受ける部材となる。

ワーレントラスは垂直材がなく、斜材の向きは内向きと外向きの交互。現在新たに作られるトラスではこの形式が主流。

ラーメン橋

橋桁と橋脚を剛結合している形式をいう。剛結合の事をラーメン結合とも。桁に働く力がそのまま橋脚に伝わっていき、橋全体で分散、負担し合う仕組み。

方丈橋

両岸の側面から橋脚を出し、桁を支えている形状の橋を言う。ほお杖をついているような姿から。ほおづえ橋とも。

斜張橋

主塔から出る複数のケーブルで、桁をダイレクトに吊る橋。吊り橋に比べて見た目がスマートであるが、設計が困難で、コンピュータによる計算が不可欠。

吊橋

両岸から渡したケーブルに桁を吊り下げる形式。

桁橋

橋台、橋脚の上に桁を置く形式の橋。桁そのものに強度が必要なので、その形状によって細分類される。I桁、箱桁などは桁の断面形状による分類。トラス橋も、トラス補剛桁橋と解釈すれば、広義の桁橋に含まれる。

橋脚ごとに桁が切れている物を単純桁、一つの桁で複数の橋脚に跨っているものを連続桁という。

橋の素材

RC

鉄筋コンクリートの事。コンクリートの中に鋼線が埋め込まれている。

コンクリートは圧縮力には強いが引張力に弱いため、これを鉄筋で補っている。

PC

プレストレストコンクリート。鉄筋コンクリートと似ているが、鉄筋を引張させた状態でコンクリートに埋め込み、コンクリートに予め圧縮力をかけてあるもの。

これにより、引張力に弱いというコンクリートの欠点を補う。

prestressed concrete:プレ(予め)ストレスト(負荷をかけた)コンクリート

橋の部品

上弦材

橋の上の部分。アーチの場合はアーチリブを指すので、上路式に於いては下側が上弦材となる。

下弦材

橋の下の部分(橋本体を上部工、橋脚、橋台などを下部工と呼び、下弦材は上部工の下の部分)。

多分ちょっと語弊のある言い方になってるので、気になる人は検索して図解を探してください。

吊材

上弦材と下弦材をつないでいる部分。アーチの上と下の間の垂直な部分のこと。

橋脚

橋が乗っている柱の部分。両岸部分は除く。

橋台

両岸で橋が乗っている土台部分。

支承

橋台、橋脚と、橋本体の間で、橋を支えている部品。

橋は荷重や温度変化などにより変形するため、支承は、支える方向の力は受け止めつつも、変形方向には可動でなければならない。その方向や形式により、ローラー支承、ピン支承などがある。

 

以上、簡単な解説でした。参考程度にはなると思います。これ以上の細かい正確な情報は各自でおググりになってくださいませ。

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